公園で一人の老人が声を上げた。
「これ誰の~、よく見てね~」
(例のメロディで)
老人の手には、いわゆる「アホが見る豚のケツ」があった。
子どもたちは一斉に両手で目を伏せた。
保護者の親たちも、目を伏せ、
自分の子どもを我先にと公園から連れ出した。
だがしかし、1人の少年が指の隙間から、
その豚のケツを垣間見た。
そして、少年はひとり、歩み出て、
老人に向かって言った。
「わしはアホじゃけえのぉ。」
その言葉を聞いて、子どもたちは次々と、
目を開け、老人の元へ駆け寄った。
「ウチもアホじゃ!」
「ボクもアホ!」
「あたいも!」
老人は目を細め、微笑んだ。
「よく言った。勇敢なるものたちよ。未来はお主たちに任せた。」
保護者の親たちはうつむいて赤面した。