やる気よ、去れ!

単なる日々の言葉

ショートショート

情報化社会(ショートショート)

とある中学校の朝礼。 場所は例によって運動場。 校長先生の情報化社会についての ありがたい、否、ありやすいお話が、 つづいていた。 フェイクニュースや、ネットリテラシーやらなんやかや、 得意げな口調で かれこれ30分以上も続いている。 生徒たちは…

散歩(詩)

気分が晴れないなあ。 外は雨が小降りだが、 まあ外に出よう。 雨でも日光はあるらしい。 日光は体にいいのだ。 日光、日光。 歩いていると、 花が咲いていた。 いっぱい咲いていた。 木も生えていた。 草も生えてる。 あっ、ツツジの花が咲いている。 ああ…

時間は存在しない(ショートショート)

「時間は存在しない。」 その天才物理学者は、 遅刻するたび、そう言った。

見てはいけない(ショートショート)

「ここに見てはいけないものがあります。」と彼女は言う。 青年はなぜそれを自分に言ったのか、 皆目見当がつかなかった。 そばにいた少年はその中身を知っていた。

あいにく(ショートショート)

「もう、他に種類はないのですか?」 お客は、少しイラだった様子で話す。 店員は笑顔で対応するが、 またかとウンザリしていた。 「誠にスイマセン。現在、この世界は現品一点限りとなっております。」 私だって、こんな…店員はそう言いかけて、口をつぐん…

意味のない就活生(ショートショート)

ある新卒予定の就活生が、面接室に入る。 「○○大学から来ました、××です。 意味のない教育を受けて、意味のない毎日を送り、 意味のない人生を生きて参りました。 私自身にも何の意味もありません!!」 彼は言い切った。 面接官は尋ねる。 「では、なぜウチ…

無能専門家(ショートショート)

アナウンサーがいつもの調子で紹介を始める。 「今日はスタジオに”無能”専門家でご自身も無能であられるAさんに来ていただきました。Aさん、今回のこの事態について何か一言。」 Aさんが面倒くさそうに話し始める。 「どうも、無能専門家の……ああ…別にどうで…

どうしようもないこと(ショートショート)

”どうしようもないこと”に一生を費やした男がいたの。 いくら「やめてよ。」と言っても聞かなかった… どうしようもなかったの。

確認作業(ショートショート)

テレビでワイドショーが流れてて、 ふと自分の頭の中に、 「正義」やら「愛」やらの概念がよぎり、 「はっ」として近くの鏡を見て、 自分の寝癖を確認した。

架空の存在

「あーあ、寒いとやる気なくすわー。 暑くてもやる気なくすけど。 まあでも、春は花粉症でやる気なくすし、 秋は夏バテ、秋バテでやる気なすくわ。」

好きって言うと(ショートショート)

「バカって言うとバカって返ってくるらしぜ。」 青年はさっき喧嘩したという女の子に笑いながら言った。 そして、少し間があって 「好き」と言った。 「マジ無理」と返ってきた。 こだまでしょうか。 いいえ、現実です。

バカって言うと(ショートショート)

「バカって言うとバカって返ってきます。」 先生はそう言った。 好奇心旺盛の少年は試しに実験をしてみたら、 殴られた。 こだまでしょうか。 いいえ、こぶしです。

一杯のコーヒー(詩)

一杯のコーヒーを大事にしよう。 他のことも、それと同じように 大事にしよう。 ひとつひとつを大事にしよう。 ああ ごめん 君はもっと大事だよ ああ 怒っちゃった コーヒーが台無しだ

ほのめかそう(ショートショート)

直接的なのはあまり好みじゃない。 それとなく ほのめかす。 よし これでいこう。 夏目漱石式だ。 「月が綺麗で… ああ… 月がないじゃないか!!!」 「どうしたの?」彼女が尋ねる。 「いや…てか、家に来ない?」 「ごめん、用事思い出した。」 彼女は走って…

白井君(ショートショート)

とあるクラスの授業中。 「ここで問題です。人間にとって必要なものは… えーっと… じゃあ、白井君!答えて!」 「アアァーーーイッ!!」

合理的アンドロイド(ショートショート)

その博士は極めて完成度の高いアンドロイド(人工生命体)を完成させた。 そいつは極めて”合理的な”頭脳の持ち主だった。 「よし、スイッチオン! … … あれ、動かない…なぜだ? 完璧なはずなのに…」 もちろん、そのアンドロイドに欠陥などなかった。

どさくさ(ショートショート)

えーん!えーん! 肩が痛いよー。 腰が痛いよー。 百億円ほしいよー。

季節の変わり目(ショートショート)

4月の上旬、一つの事件が起きた。 部下の刑事が上司に報告している。 「被害者は冷房をつけたままの部屋で こたつの中で倒れていました。」 「妙だな。」上司の刑事が呟く。 「そんなもんですよ。」部下は言った。

ついでに(ショートショート)

今日はたくさん、失敗した。 「ついでにもういっちょ失敗しておくか。」 男は、そう言って、よからぬことをした。 流れは大事である。

田舎にて(ショートショート)

とある田舎で、 サンドウィッチマンと呼ばれる芸人が男に話しかける。 「この辺で飲食店を探しているのですが…」 尋ねられた男は答える。 「でしょうね。」

ある男の論理

「風邪気味だから酒を飲もう。」 (※この男の個人の判断です。)

思想の違い【その3】

昨日、「過去は存在しない。」と公言した男が殴られたそうだ。

思想の違い【その2】

「あなたっていつも他人事ね。」 「そりゃそうだ。僕は君じゃあない。」 どこかでビンタの音がした。

思想の違い(ショートショート)【その1】

「あれれ?ミスった所が逆にいい味出してない?」 「全然。やり直せ。」

自分の毒(ショートショート)

自分の毒で死んだ動物っているのだろうか。 そう思って、しばらくして 呆れて物も言えぬ動物たちが 目に浮かんだ気がした。

気概(ショートショート)

また、いつもの阿呆が叫びだした。 「気概だー!! 気概だー!! 気概だー!!」 別の人が言う。 「うるさいねん。」 「すみません。」 阿呆はすぐさま謝った。

愚者と賢者(ショートショート)

愚者は”意味のあること”を追い求め、 その結果、 意味のない人生を送った。 一方、賢者は ”意味のないこと”に夢中になり、 結果として、 やっぱり、意味のない人生を送った。 チャン、チャン。

ある日の発言(ショートショート)

「よし、今日はなかったことにしよう。」

ある思考(ショートショート)

ふーむ。 ふむふむ。 そうか!ということは…こうだからああで 従って、 それがこうなって、 ああなって、 つまりだな、 私には何も分からない! ということです。 そういうことです。

失ったわけじゃない

「失ったわけじゃない。 元から手に入れてもなかったんだ。」 "It's not that I lost it. I have never had it before."