ショートショート
「あら、藤の花がきれいね。」 「先生、それはチューリップです。」
「あの日を境に、 私の人生において ”うまくいく”ということは 永遠に失われた。」 男は公園のベンチでそう呟いた。 近くにいた子どもは何のこっちゃの訳ワカメ。 2秒後、その子の頭の中はすぐポケモンだらけに戻った。
「お前のことが好きなんだ。付き合ってくれ。」と言った瞬間、 「ごめん!マジ無理!!」そう言って、女は走って逃げた。 その青年が、「今日はエイプリルフールだぜww」と 掛けていた保険を使う間もなく…。 遠い先になって、青年はその女がウソつきだったと…
アホが叫んだ。 「気概だーーーーーー!! 気概だーーーーーー!! 気概だーーーーーー!! … … ところで気概って何やーーーー!!!」 もう一人のアホが応える。 「知らんわ!アホーーーーー!!!!!!」
男はメモを取った。当面の目標として。 ・阿呆になる ・恥をかく ・間違い・失敗を犯す 以上を書いて、男は思った。 「この目標を立てた時点で、もうすでに阿呆であり、 恥知らずであり、失敗なのかも。」と。
「下手な考え休むに似たり。」 すなわち、アホウの私が考えたところで無駄なあがき。 したがって、アホウの私はふりかかる不幸を素直に受け入れる他ない… … … のですか!?
公園で一人の老人が声を上げた。 「これ誰の~、よく見てね~」 (例のメロディで) 老人の手には、いわゆる「アホが見る豚のケツ」があった。 子どもたちは一斉に両手で目を伏せた。 保護者の親たちも、目を伏せ、 自分の子どもを我先にと公園から連れ出し…
「知れば知るほどアホになるんじゃないか?」 と、1人のアホが思った。 ※自分のことです。
「博士!大変です!!」 助手のAは研究室に慌てて駆け込んだ。 「一体、全体、変態、どうしたというんだね。」 博士はコーヒーをすすりながら落ち着いた様子で、 読んでいたワンピース2巻から顔上げた。 「まだワンピースの2巻読んでるんですか?」 と半ば…
「今日から嫌なことがあったら、全部、のB太のせいにする!!」 いかにも彼が言ってそうな言葉だが、 実際に彼が言ったかどうかは定かではない。
「ああ、なんかしんどいなー。」 座布団を枕にして、畳の上に寝ころんで少年は呟く。 スマホを見ると、 このしんどさはどうやら低気圧のせいらしい。 「あーあ、気圧なんかなくなればいいのに。」 しばらくして、何かが彼の頭の中でひらめき、 彼は押し入れ…
少年は松任谷由実の『春よ、来い』が好きだった。 だが、聴くたびにワカメが気になって仕方なかった。
「この味いいね」と君が言ったから… でも、あなたは私の手作りハンバーグと わざわざ作ったあなたの好物の茶わん蒸しには 一言も触れなかった。 ちな、サラダはスーパーで買ったやつよ。
「僕らはいつだって手遅れだ。」 そう言って彼は笑った。
「いいですか。自由と責任はセットです。 でも、自由じゃなくても、 最終的には責任は取ってください。」 誰かがそっと呟いた。
スーパーの前に八朔がポツンと落ちていた。 その周りには、ポッカリと空間が開いていた。 ただそれだけの話。
「聞いて下さい。いい情報が入ったんですよ。」 「情報?…情報…情報… うーん…情報ねえ… うーん…」 そしてため息をついた。